こんにちは!
動画で応援するPersonaliTV、映像ディレクターの佐藤安南です。
いつもは22:00過ぎくらいに更新している、このブログですが、
今日はライブ配信があるため、少し早めにお届けしていますよ。
そして、さらに今日は、
夕方から、ボランティアで撮影をするんです。
昨日は、その準備のために、
新しく買ったワイヤレスマイクをテストしていました。
「スマホに繫ぐだけ!」という触れ込みだったので、
そのまま繫いで、試し撮りしてみたのですが…
全然、音が入ってない(>_<)
ええっ、一体どーゆーこと???
5万円もしたのに、初期不良かよ〜(泣)
それから、格闘すること3時間….
あっ!
アダプターがちょっとズレてる!!!
スマホ用のアダプターをしっかりはめ込んだら、
アッサリ、解決しました(^^;)
いや〜、焦りました…。
最近のマイクや撮影機材って、どんどん小型化しているので、
ちょっとした、はめ込みのズレとかで、
接続不良になることが多いんですよね。
皆さんも、新しく機材を買ったら、
まずは、試し撮りして、
ちゃんと動作を確かめてくださいね〜。
ちなみに、今回私を悩ませたのは、
このマイクです↓
【DJI Mic】
¥50,000近くと、かなり高額なので、
初心者の方には、ムリにオススメしませんが…
「バリバリ動画を撮って編集したい!」
そう思っている方には、超オススメのワイヤレスマイクですよ。
さあ、今日の撮影、頑張るぞー!!!
熱中症にならないようにしなきゃ…
ではでは、お待たせしましたー。
本日のお題にまいりましょう。
【動画は本当に「文字の8倍の情報量」がある?】です。
前回は、動画に大切な
「対話力」をどうつけるのかというお話でした。
今回は、ガラリと変わって、
動画の伝達効果の真偽について、考察してみたいと思います。
■動画は「文字の8倍」の情報量がある?
先日、たまたま、あるfacebook広告を目にしまして。
YouTubeなどの動画広告を活用していこうという
PRだったのですが、
そこに、
「動画は文字の8倍の情報量がある!」と
デカデカと、書かれていたんですね。
あなたも、
どこかで聞いたことが、あるのでは?
「動画は文字の10倍!」
「動画は文字の100倍!」
とまあ、要するに、
動画よりも文字の方が、情報量が圧倒的に多いというお話ですね。
この話の論拠になっているのは、
「メラビアンの法則」です。
コミュニケーションには3つの要素があって、
言語要素が全体の7%、
声のトーンや速度などの要素が38%。
そして、
表情やボディランゲージなどの非言語要素が55%を占める、というもの。
だから、ジェスチャーなどの非言語要素が重要で、
それを伝えてくれるのが動画なのだ…という論理ですね。
でも、これって、本当なんでしょうか?
■「メラビアンの法則」は誤解されている!
「言語よりも非言語情報が重要」
こんなふうに捉えられているメラビアンの法則ですが、
実は、そうではありません。
伝えられている言語情報と、感情や態度などの非言語情報に、
「矛盾」があった場合に、非言語情報からの情報を重視する。
こういう法則なんです。
分かりやすい例で言えば、
「とっても美味しいですね〜」と言葉では言っているのに、
ものすごーくマズそうに、イヤイヤ食べている…
で、ほとんどの人は、
「あー、本当はマズいと思ってるんだろうなあ」と受け取る。
言語情報と非言語情報が矛盾しているときに、
人は、表情などの非言語情報のほうを重視する、ということです。
つまり、
「ある条件下の元でだけ」という制限があるんですよね。
ですから、決して、
「言語情報は大して重要じゃない」
「非言語情報のほうが言語より情報量が多い」
という意味では、無いんです。
■どこから「8倍」「10倍」の数字が出てくる?
また、
動画が文字よりも情報が多い…というのも、ちょっぴり、乱暴な話です。
いったいどこから、
「8倍」やら「10倍」やらの数字が出てくるんでしょう?
かなり前には、
「動画は文字の5000倍の情報がある」とまで言われていたんですよ!
さすがにそれは無いよね…と思って、以前、こんな動画を作りました。
興味があれば、ご覧ください…
【動画は文字の5,000倍の情報量があるってホント?】
この動画を作ったとき、あちこちで調べてみたんですが、
結局、その根拠となるちゃんとした研究論文は、見つからなかったんですよね〜。
■情報の「量」としては、動画はむしろ少ない!?
30年以上テレビに携わってきて、
内容に間違いがないかどうか、
いつもピリピリしながら番組制作に関わって来た私としては、
テレビよりもネットや新聞、
ネットや新聞よりも論文や本のほうが、
圧倒的に、情報量は多いと感じています。
テレビの現場では、いつも、
「コメントが多すぎる!」
「一言で表現して!」
「小学生でも分かるように!」
こんなふうに、叱咤され続けます。
つまりですね、
テレビ番組を含む動画って、
本やネット記事と違い、
どんどん、流れていっちゃうじゃないですか。
特にテレビ番組は、
その場で巻き戻しができません。
ですから、
できるだけ簡潔に、
パッと分かってもらえるような、
インパクトのある短い言葉を使う必要があるんです。
業界に入ったばかりのころは、これで、本当に苦労しました…
(今でもだいぶ苦労しています)
「研究論文じゃないんだから、
そんなにセリフを詰め込めないんだよ!!!」
先輩に、何度叱られたことか…(T_T)
厳密さ・正確さが要求される医療や科学関連の番組だと、
余計に、難しくなるんですよね..
つまり、「言語情報」としては、
動画は、ネット記事・新聞・本などに比べ、
圧倒的に、情報は少なく、薄くなります。
逆に言うと、
あまり言葉を詰め込み過ぎると、動画として成り立ちません。
難し過ぎて、飽きられちゃうんですよね。
■動画が得意なのは、情報の「量」ではなく「質」!
しかしそれでも、
動画には、新聞やネット記事に比べて、
圧倒的に有利な要素があります。
それは、情報の「質」です。
目に見えるという、視覚の情報。
音が聞こえるという、聴覚の情報。
つまり、
「メラビアンの法則」でも言われていた
「非言語情報」ですね。
ここが、動画にはあるということです。
「ネット記事でも、イラストやマンガなどで視覚に訴えられるのでは?」
ええ、そうですよね。
しかし、動画には、さらに有利な要素が。
「動く」ということです。
人間は、動くモノに
自然と目を惹きつけられるという習性があります。
実際、ネット記事やHPで、
動画があるモノと無いモノを比較してみると、
動画が埋め込まれているサイトのほうが、
滞留時間が長いという調査結果が、
かなり前から、報告されています。
大きな違いは、
量では無くて
「質」だったんですよね。
■動画は「感情」に訴えるから、強い!
文字だけで感情を伝えようとすると、
相当な文章表現力が、必要とされますよね。
でも、動画なら、
泣いたり、笑ったり、怒ったり、
その表情を見せるだけで、一発で、伝わります。
また、声のトーンや息づかい、
早口なのかゆっくりなのか、
勢いがあるのか、ためらいがちなのか、
そういうニュアンスも、伝わります。
特に、人間は、
赤ちゃんのころから、人の顔に注目する習性がありますから、
動画であなたの様々な表情を見せるだけで、
自然と目が惹きつけられ、
感情が、見る人に伝わるんです。
そして、
ここが最も大事なことですが…
人は、論理だけでは、動きません。
人を動かすのは、「感情」です。
その「感情」を確実に伝えられる、
豊富な情報の質を備えたメディア、
それが、動画なんです。
大事なことなので、もう一度言いますが(笑)、
動画では、あれこれ喋り過ぎてはいけません。
かえって、情報過多になって、
見る人の頭が、パンクしてしまいます。
動画の良い点は、
情報量ではなく、情報の「質」、
感情に直接、訴えかけられることなんです。
そのためには、
話す内容をしっかり吟味して、
最低限のことに絞り込み、
あなたのお顔をしっかり出して、
表情豊かに話すこと。
ライブ配信なんかは、
感情がダイレクトに伝わるので、とってもいいですね!
適切なところで、
分かりやすいテロップやスライド、写真などを出して
視覚に訴えかけること。
感情を揺さぶる音楽や効果音で
印象をより高めること。
こういうことがあって初めて、伝わる動画に、なるんです。
では、そういう動画を作るためにもっとも必要な準備とは…
はい、これは、
次回のブログで、お伝えしますね。
ではでは、また!